2011/01/16

魔法の国モロッコ(4) なにかが起こる街、マラケシュ part3

魔法の国モロッコシリーズ


マラケシュ3日目


実は昨晩、驚く程しんどくて、かなりうなされた。
完全に昨日よりも体調は悪化している。
しかもすごく咳が出て、肺が痛い。
以前かかった肺炎の様な症状だ。
僕は病院にいくことにした。


タクシーを捕まえ、ville nouvelle(新市街)のclinique(病院。hospitalはすごく大きな病院を指すから大体風邪なんかだとcliniqueにいく。)に行ってくれと言う。
「どこの病院だ」と聞いて来るから、「わからない、適当に知ってる病院に連れていってくれ」といっても「どこか決めろ」という。
仕方なくlonely planetに載っている病院を指定する。
病院に行くだけで一苦労だ。


そして病院についたものの、英語は通じないからフランス語だし、1時間近く待たされて、診察は1分。聴診器すらあてられない。
文句をいう気力も体力もなかった僕は、諦めて違う病院に向かった。
すると今回はアタリで、看護士さんがすごく優しく、すごく気を使ってくれた。
そして僕は看護士さんに入院させてくれと頼んだ。
とてもじゃないけどそこら中から声をかけられながらホステルに帰って、ご飯を食べる気力と体力はない、と判断したからだ。
モロッコで生きるにはそれほど体力がいる。
実際、熱は39度近くあり、僕は入院することになった。
モロッコで。


ばかみたいな話だ。


でもそう、ここはなにかが起こる街、マラケシュ。


部屋に移り、ベットに横たわった瞬間僕は寝た。ひたすら寝た。
この日は朝から何も口にしなかった。


そうしてぼくのマラケシュ3日目は終わる。








マラケシュ4日目


朝起きると、かなりましだ。
熱も36度にまで下がっている。
しかも究極にお腹が空いている。
病院の朝食をペロリと平らげた。






ちなみに病院は、建物こそすこし古かったりするが、抵抗があるほどではない。
なんの障害もなかった。
ただ、隣のおじいさんがおそらく重病で、何人親戚いるんだと思うぐらい大量の人がお見舞いに来てた。
みんな僕に挨拶をしてくれて、なんかうれしかった。


さて、退院ということだが、入院費はなんと1400デュラハム(1万4千円)。
モロッコの物価を考えるとぶったまげた。
平均月収が6万円程の国でこれはないだろうと。
ま、保険が全額負担してくれるので、どうでもいいのだけど。
ぼくは7月から日本帰国までAIUの保険に入っていて、医療費は全額負担してくれる。
AIUは加入が簡単だからオススメだ。


退院した僕は200デュラハムのホステルに戻る。
日本人宿は予約でいっぱいらしい。
この日はひたすらgossip girlを観たり、ゆっくりと過ごした。
全く、モロッコにまで来て何をやっているのだろうか。
多少自己嫌悪に陥る。
というよりも結構落ち込んでた。
このままベルギーに帰ろうかとも悩んだ。
友人も、頼る人もいない環境は僕にはちとつらい。
1人で、孤独な、つらい時間を過ごした。
まさかベルギーに帰りたいなどと思うとは思ってもみなかった。
楽しむはずの場所で、苦しんでる。
なんとも悲しい話である。


こうして塞ぎ込んだまま、マラケシュ4日目を終える。